「レモネードの原則」で一歩を踏み出そう【就活・インターン】

最近、学生のみなさんからこんな相談をよく受けます。

「就活で落とされるのが怖いから、エントリーできない」

「自分に自信が持てなくて、一歩が踏み出せない」

不採用通知を受け取るのって、本当に怖いですよね。自分が否定されたように感じて、動けなくなる気持ちはよく分かります。実は、私はどちらかというと「根性論」で育ってきたタイプです。

「失敗しても努力すれば成長できるし、ある程度カバーできる」「人より劣っているなら、人一倍努力すればいい」。ずっとそんな風に考えて走ってきました。そんな「努力と根性」で生きてきた私ですが、過去にグラフィックデザイナーとして働いていた頃、ものすごい失敗をしたことがあります。

デザイナーなら誰もが青ざめる、やってはいけない「文字のミス(誤字)」をしてしまったのです。Webデザインと違って、グラフィック(印刷物)は「アップロードし直して終わり」というわけにいきません。すでに刷り上がってしまったものをもう一度印刷するとなると、莫大な費用がかかってしまいます。正直、そのミスについては100%私が悪いというわけではなかったのですが、当時は本当に、目の前が真っ暗になるほど落ち込みました。(当時の会社のみなさん、本当にごめんなさい…!)

でも、私はその大失敗を経験したことで、「これは自分に与えられた試練だ」と捉え直しました。そこから、デザインという仕事に対する姿勢や、チェックの仕方が劇的に変わったのです。あの手痛いミスが、今の私のデザイナーとしての土台を作ってくれました。

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「レモネードの原則」ってなに?

このように、予測していなかったトラブルや失敗を、のちに「最高の経験」に変えていく思考法のことを、クリエイティブや起業の世界では「レモネードの原則」と呼びます。

アメリカには「When life gives you lemons, make lemonade.(人生がレモン[酸っぱい不運]をくれたら、それで甘いレモネードを作ればいい)」ということわざがあります。

就活に置き換えるなら、「落選」や「不採用」はまさに酸っぱくてそのままでは食べられないレモンです。でも、この原則は「嫌なことや理不尽な落選を、気合いと根性で我慢しろ!」と言っているのではありません。

大切なのは、根性で耐えることではなく、起きてしまった出来事の「意味づけ」を変えてあげることです。

《 根性論 》
「落とされたけど、自分の努力が足りないんだ!もっと寝ずに頑張らなきゃ!」
(自分を追い詰めてしまう)

《 レモネードの原則
「落とされた(レモンが届いた)ということは、この書類のどこかを改善すれば、もっと自分に合う最高の企業に出会えるチャンス(レモネードが作れる材料)が手に入ったな!」
(意味づけを変える)

手元に届いた酸っぱいレモンを、ただ「最悪だ」と眺めて終わるか。それとも「どうやって美味しい飲み物に変えてやろうか?」とクリエイティブに企むか。これだけで、心の持ちようはガラリと変わります。

酸っぱい落選を「美味しいレモネード」に変えた先輩の話

ここで、ある先輩の実例を紹介します。

彼は、ある有名デザイン会社のインターンにどうしても参加したくて、何日もかけてポートフォリオ(作品集)を作り、応募しました。しかし、結果は「不採用」。普通なら「自分には才能がないんだ…」と諦めてしまうところですが、彼はレモネードの原則を使いました。「落とされたということは、このポートフォリオのどこかに、プロから見て『おや?』と思うポイントがあったはずだ」と考えたのです。

そこで、ダメ元でその会社に「今後の勉強のために、どこを改善すべきか一言だけでもフィードバックをいただけないか」と丁寧なメールを送りました。すると、熱意が伝わったのか、採用担当の方から「構成は良いが、ターゲットへの視点が弱い」という具体的なアドバイスをもらうことができたのです。彼はそのアドバイスを元に、ポートフォリオを徹底的にブラッシュアップ。別の企業の選考に臨んだところ、今度は「ここまで顧客視点で作られているポートフォリオは珍しい!」と大絶賛され、見事、当初の目的以上の企業から内定をもらうことができました。

もし、彼が最初の落選(レモン)をただの失敗としてクローゼットにしまい込んでいたら、この最高の内定(レモネード)は生まれていませんでした。

失敗が怖くて動けない時の「処方箋」

もし今、あなたが落とされるのが怖くてエントリーできないなら、次の2つのことだけを頭に置いてみてください。

「お祈りメール」は、あなたの人間性を否定したわけじゃない

採用不採用は、あくまで「その時のその会社の席数」と「提出した書類(切り取られた一面)」のマッチングにすぎません。あなたのこれまでの人生や、人格そのものを否定する権限なんて、どこの企業にもありません。「今回は味の好みが合わなかっただけ」と、まずは事実だけをクールに受け止めましょう。

動かないリスクは「材料ゼロ」、動くリスクは「レモン獲得」

動かずにいると、手元には何も残りません。でも、勇気を出して応募すれば、合格(最高!)か、不合格(レモン)のどちらかが手に入ります。レモンさえ手に入れば、それを元に「次はどう改善しようか?」と工夫するクリエイティブなゲームを始めることができます。

レモンをもらいにいこう!

完璧な計画なんてなくて大丈夫です。根性で無理をする必要もありません。

これからあなたが直面するかもしれない「酸っぱいレモン」は、あなただけの美味しいレモネードを作る最高のチャンス、ただの材料です。まずは「レモンを1個もらいにいく」くらいの少し軽い気持ちで、最初のエントリーボタンをポチッと押してみませんか?そこから、あなただけの特別なレモネード作りが始まります。

この記事を書いた人
Experience Designer

大分県出身|アートディレクター兼デザイナー|デザインの先生|デザイナー歴21年|先生歴13年|✱2026年4月時点
学生〜プロ、経営者〜企業をデザインの力でスケダチ|外部デザイン顧問|デザインなどの情報を発信する「姫野家クリエイティブノート」を運営|広告賞多数受賞

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