はじめに
変数名やクラス名を付ける際に重要となるのが「命名規則」です。わかりやすく整理された命名規則を使えば、後からコードを読む人（チームメンバーや自分自身）が理解しやすくなり、メンテナンスの効率も向上します。本記事では、代表的な命名規則とよく使われる別名、さらに知っておくと便利な特殊な命名規則についてまとめて解説します。初心者の方にも分かりやすいよう、各命名規則のコード例もご紹介します。
命名規則の重要性
代表的な命名規則
キャメルケース（camelCase）
［別名］LowerCamelCase
コード例（JavaScript）
// 変数と関数をキャメルケースで命名
let userName = 'Taro';
function sayHello() {
console.log('Hello, ' + userName);
}
sayHello(); // 結果: Hello, Taro
パスカルケース（PascalCase）
［別名］UpperCamelCase
コード例（JavaScriptクラス）
// クラス名をパスカルケースで命名
class UserProfile {
constructor(name) {
this.name = name;
}
sayHello() {
console.log('Hello, ' + this.name);
}
}
const user = new UserProfile('Taro');
user.sayHello(); // 結果: Hello, Taroコード例（Reactコンポーネント）
// Reactコンポーネント名をパスカルケースで命名
function UserCard() {
return (
<div>
<h1>User Card</h1>
</div>
);
}
export default UserCard;スネークケース（snake_case）
コード例（Python）
user_name = "Taro"
def say_hello():
print("Hello, " + user_name)
say_hello() # 結果: Hello, Taroケバブケース（kebab-case）
［別名］dash-case, spinal-case
コード例（HTML＋CSS）
<div class="user-name">
<!-- コンテンツ -->
</div>.user-name {
color: #333;
}その他の命名規則
スクリーミングスネークケース（SCREAMING_SNAKE_CASE）
［別名］UPPER_SNAKE_CASE
コード例（JavaScript）
const MAX_VALUE = 100;
let value = 150;
if (value > MAX_VALUE) {
console.log('Over the limit!');
}ハンガリアン記法（Hungarian Notation）
コード例（C言語）
#include <stdio.h>
int main() {
int iCount = 3;
char* szName = "Taro";
printf("Count: %d, Name: %s\n", iCount, szName);
return 0;
}注意
近年の開発環境では型推論や補完機能が充実しており、採用ケースは減少傾向にあります。
BEM（Block, Element, Modifier）
コード例（HTML＋CSS）
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<style>
.nav {
background-color: #eee;
padding: 10px;
}
.nav__list {
list-style: none;
display: flex;
gap: 10px;
}
.nav__item {
padding: 5px;
}
.nav__item--active {
font-weight: bold;
}
</style>
</head>
<body>
<nav class="nav">
<ul class="nav__list">
<li class="nav__item nav__item--active">Home</li>
<li class="nav__item">About</li>
</ul>
</nav>
</body>
</html>命名規則選択のポイント
- プロジェクトやチームのコーディング規約を最優先
- 言語やフレームワークごとに一般的な命名規則があります。
- Reactコンポーネントならパスカルケース、CSSクラス名ならケバブケースなど、よく使われる慣習を確認しましょう。
- 読みやすさや修正しやすさを重視
- 長すぎる名前は避け、要点だけをわかりやすくまとめる。
- 後から見たときに意図がはっきりわかる名前を付ける。
- チームの合意を取って統一する
- 開発メンバー間でルールを共有し、同じスタイルを徹底することで効率が上がります。
まとめ
キャメルケースやパスカルケース、スネークケース、ケバブケースのような代表的な命名規則から、スクリーミングスネークケースやハンガリアン記法、BEMといった特殊なものまで、さまざまなスタイルが存在します。プロジェクトの言語特性やフレームワーク、チームのコーディング規約を踏まえながら、適切な命名規則を選んで使い分けましょう。
テキストエディターによっては、キャメルケースやスネークケースなどに一括変換できる機能や拡張機能があります。
最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、命名規則をマスターするとコードの可読性が飛躍的に向上し、修正や保守にも強いプロジェクトを実現できます。ぜひ、この記事を参考に学びを深めてください。
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